契約書がない借地の立ち退きの件
〔 借地借家問題 〕
A寺は、土地をY氏に貸し、Y氏は、土地上に木造の家を建てていました。
昔のことなので、土地の貸し借りについて契約書を作成していませんでした。
当初、Y氏は、A寺に土地使用について何らの対価も支払っていませんでしたが、いつしか毎月5000円ほどをA寺に毎月持参してくるようになり、A寺はそのお金を受け取っていました。
隣人が亡くなり、A寺は、土地の明け渡しをY氏の相続人に求めましたが、相続人は、高額の立退料を請求してきました。
A寺より依頼を受けた当事務所は、毎月5000円の支払では、年間の固定資産税にも満たないことを調査し、本件土地の貸借は、借地と比べて権利性の薄い使用貸借であると主張し、相続人と交渉したところ、土地価額に比して極めて低額の解決金で立ち退きを実現させました。